オンオフが曖昧なライフスタイルでも使えるボディバッグをトバログさんとdripが一緒に作っていく今回の開発企画。
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前回の記事では「iPadが収納できるサコッシュ以上、バックパック未満のボディバッグ」という骨子が決まり、具体的な製品の設計図まで完成しました。
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2019年末頃から開発をスタートして、アイデアをここまで固めた頃にはすでに2020年秋頃。半年ほど時間が掛かってしまいましたが、その分かなり具体的に作りたいもののディテールを詰めることができました。
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ここまでくればあとはサンプルを微修正していくだけ。当時のMTG資料を見ると【2021年3~5月に発売】と書かれています。
しかしこの文章を書いている現在は2022年3月。ここから工場との果てしないサンプル修正ラリーが待ち受けているとはまだ私たちは知る由もありませんでした…。
何度もサンプル制作と修正を重ねたその全てはここでは語りきれませんが、一部始終を抜粋してご紹介します。トバログさんがこのバッグにかけたこだわりを少しでも感じ取ってもらえれば幸いです。
バッグハンガーの仕様を角度から見直し
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当初の設計では画像左のようにショルダーストラップにハトメ(穴)を空けて、そこにバッグハンガーを通してデスクに引っ掛けることを想定していました。
しかし実際に使ってみるとバッグを掛ける向きが正面だと横幅をとってしまい、狭いカフェのカウンター席では邪魔になることが判明。写真右のようにバッグの角度を90度回転させて保持できるようにすることに。
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そこで次のサンプルではハトメホルダーのようなものを側面に取り付け。これにより引っ掛け角度を90度回転させることにしました。しかし実装してみると思った以上にハトメ部分が目立ってしまい、このアイデアはボツに。
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そして次に考えたのは同生地のピスネーム(中空のタグ)を貼り付けて、そこにバッグハンガーを通すアイデア。
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これなら悪目立ちしないだけでなく、バッグハンガー以外にもマルチな用途に使える可能性も広がりました。
背面に隠しポケットを追加
次は当初の設計図から追加になった仕様について。それがバッグ背面の隠しポケットです。
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サンプルを使っている中でトバログさんから「もっとクイックにアクセスできるポケットが欲しい」という要望が出てきました。
ここはデザインコンセプトである「ノイズレス」を体現するため、使用時は体に密着して見えなくなるバッグ背面に薄い隠しポケットを追加することに。当初はポケットの存在感を感じさせないようにするために、ショルダーストラップ付け根の縫い目に沿ってジップを走らせることを想定していました。
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この改良案を受けて上がってきたサンプルがこちら。ジップをストラップの縫い目と一体化させるのは構造上難しかったので、1段下げた位置にポケットを取り付けました。
しかしバッグを左掛け(左肩にストラップを掛ける)をすると開く方向が反対の方が使い勝手が良いと感じ、ジップの開き方向を逆にする修正を加えます。
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最終的には見た目も考慮して止水ジップ仕様の隠しポケットに。iPhone 13 mini程度のスマホならすっぽりと収まります。
バッグを膨らみのあるフォルムに改良する
開発で特に苦労したのはバッグ全体のフォルム設計。バッグのフロント側に膨らみをもたせて収納力を確保し、見た目にも自然なシワ感を作るのが当初の理想でした。
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しかしサンプルとして上がってきたものは予想よりも膨らみがなく、のっぺりした見た目でした。もっと自然なボリューム感を出すために修正の依頼をするも、膨らみという感覚的な部分のイメージを工場側とすり合わせるのに苦労しました。
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最終的には縫製やバッグの型を根本から見直すことで、ようやく理想としていたボリュームとシワ感を実現することに成功。
肩掛けのフィット感を向上させる工夫
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最後はバッグの心地良さに関わる部分。ショルダーストラップを肩に掛けた際、使う人の背丈や体の大きさによってストラップ付け根にシワが発生することがありました。
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そこでストラップの付け根に金属のループを追加。これにより微妙な角度をループが逃してくれて、より多くの人にフィットする使い心地になりました。
鬼のサンプル修正を経て、ついに完成
ここで挙げた仕様修正はもちろんごく一部。他にも
- 内側の2ポケットを大きな1ポケットに変更
- 内ポケットをジップではなく使いやすいスナップボタンに変更
- iPad収納部の緩衝材を薄くして背負いやすく
- ジップの引き手に熟成レザーを使用
- ショルダーストラップを少し太めにして背負いやすく
- 内側のメッシュ素材を変更
- 本体に使うナイロン素材を何パターンも吟味
などなど、挙げればキリがないくらいの修正を施しました。
コロナ禍でリモートでは細かなコミュニケーションがなかなか取りづらいことも影響し、こうしたサンプルの修正に約1年ほどの時間が掛かってしまいました。
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ただ時間を掛けただけあり、満足のいく出来の製品が完成しました。次の記事ではいよいよこのバッグの詳細や発売日・価格などをご紹介しようと思います。お楽しみに!