この記事はdripの2人による、理想のハンガー開発の軌跡をストーリーにしたものです。連載を最初から読みたい方はこちら→もうハンガー選びは終わりにしよう。ぼくらの理想のハンガーってなんだろう?
前回の記事でハンガーの不満点を話し合い、そこから理想のハンガーのコンセプトデザインを考えた2人。ここからいよいよ本格的な製作に乗り出します。
アイデアをもって工場に連絡するも…?
2人は協力して付き合いのある金物メーカー企業や、ネットで検索して出てきた工場に連絡。ただ返ってくる返事はどれも渋いものばかりです。
ということですぐに壁にぶつかった2人。まずはいきなり工場ではなく、金物などのプロダクトデザイン経験がある人を探すことにします。
探しまわって見つけた、同世代のプロダクトデザイナー
そこから知り合いのツテなどを頼り、1ヶ月ほどプロダクトデザイナーを探しました。
ただプロダクトをデザイン・機能面・耐久性など複数の観点でデザインし、そこから図面への落とし込みまでできるドンピシャなデザイナーはそうそう見つかりません。
時間だけが過ぎていき半ば諦めかけた時に、知り合いのWebデザイナーが「美大の友達でぴったりの人がいるよ」と紹介してくれたのが長塚さんです。
長塚さんは前職でインテリアデザインなどプロダクト周りのデザイン業務を経て、独立。現在はフリーランスでデザイナーをしています。
これまで手がけたプロダクトもどれも素敵なものばかり。年齢もdripの2人と近く、すっかり意気投合した3人。
そして長塚さんはデザインだけでなく、工場との繋がりもあるそうでそのまま工場とサンプル設計・発注までもお願いできるとのこと。
さらに数千万円かかる金型を作らなくても、設計によってはもっと安価に製造できる可能性もあるので、そこから一緒に考えてもらえることになりました。
暗礁に乗り上げていたハンガー製作ですが、心強い協力者を見つけて一気に加速します。
図面制作中に新たな気づきが
まず長塚さんと一緒に取り組んだのは、この絵心のないイラストを図面に落とし込むこと。まずは原案のイラストに近い形状のハンガーを図面に起こしてくれました。
上部と下部の2パーツに分かれた作りで、これなら金型を作らずに製造できるとのこと。ただデメリットとしてはパーツを接合する加工に追加費用がかかるそう。
そして図面を起こす段階で2人はあることに気づきました。
作ったのが100均で5本セットになったプラハンガーを“魔改造”したハンガー。先ほどの図面と違い、パンツを出し入れするための切り欠きを中央に寄せてみました。
こんな感じで直接会って話をしたり、チャットで意見を擦り合わせてようやく理想のハンガーの骨子が固まってきました。
一見するとかなり奇抜な形をしていますが、ここまでご紹介した通り1つ1つの形状に全て意味があります。2人の理想を再現し、さらにそこに長塚さんのアイデアも加わって、本当に欲しいと思えるハンガーができました。
ついにハンガーのファーストサンプルが到着
ハンガーの図面が完成したので、早速工場にサンプルを発注します。
先ほどお見せした図面は1枚だけでしたが、実際は少しデザインや仕様を変えたものを3パターン、さらに針金の太さを変えたものを3種類ずつ製作。
1つサンプルを作るにももちろん費用がかかりますが、細かな違いも実際に手にとって確かめたいので妥協はできません。
発注から約1ヶ月。ついにサンプルが到着しました!
ここから実際に完成したハンガーを自分たちで使ってみて、さらに形状をブラッシュアップしていきます。
ここに来て問題が発生…
「あとは細部を詰めるだけ」そう思っていた3人ですが、ここに来て大きな問題が発覚。これまで製造をお願いしていた工場さんから、最終原価の見積もりが届いたのですがこれが想定よりもずっと高くなってしまいました。
着手当初は「このくらいの原価なら大丈夫そう」と言われていたのですが、色々と細部にこだわるうちに工賃がかさみ、目標原価の2倍近い価格に…。
良いものを作ることはもちろんですが、そうはいっても価格のバランスも大切。利益を限界まで削っても今の原価では気軽に手にとってもらえる価格にはなりません。
生産数を多くしてコストを下げる、工場へ価格交渉する、別の工場を探す、海外の工場を検討する…。この記事を書いている今も、まだ解決策は見つからず奔走している状態。
すでにdripのハンガーを楽しみにしていただいている人もたくさんいらっしゃるので、なんとか満足できる形で製品化できるように頑張ります。もう少しだけお時間いただけると嬉しいです。
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